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ホームページ制作・運用コラム COLUMN

サイトリニューアル

サイトリニューアルの進め方 目的設定・要件定義・KPI設計を解説

サイトリニューアルの進め方 目的設定・要件定義・KPI設計を解説

ホームページのリニューアルを検討しているのに、「何から手をつければよいかわからない」「目的が漠然としていて社内でも意見がまとまらない」という悩みをお持ちの方は少なくありません。リニューアルは費用も時間も要する大きなプロジェクトだからこそ、着手前の「目的設定」と「要件整理」が成否を左右します。

本記事では、リニューアル前に必ず実施すべき課題整理の手順、ビジネスゴールから逆算した目的設定の方法、測定可能なKPIの設計、そして制作会社に伝わる要件定義書の作り方まで、プロジェクトを正しくスタートさせるためのプロセスを体系的に解説します。

この記事でわかること

  • リニューアルを失敗させる「目的が曖昧なまま進める」パターンの正体
  • ホームページリニューアルの目的を正しく言語化するステップ
  • KGI・KPIの設定方法と具体的な指標の例
  • 要件定義の進め方と社内合意形成のポイント
  • 制作会社への依頼前に整えておくべき準備

1. なぜ「目的設定」がリニューアルの成否を決めるのか

1-1. 「デザインが古いから」では失敗する

ホームページリニューアルに踏み切る企業の多くが、最初の動機として「デザインが古くなった」「競合他社と比べて見劣りがする」を挙げます。こうした感覚は決して的外れではありませんが、そのままリニューアルを発注すると、完成後に「きれいにはなったが、問い合わせは変わらない」という結果に陥りやすくなります。

Webサイトリニューアルの本質は、見た目の刷新ではなくビジネス課題の解決です。デザインを新しくすることはあくまでも手段であり、「リニューアルを通じて何を達成したいのか」というゴールがなければ、制作会社も正しいアウトプットを出すことができません。

目的が曖昧なまま進行すると、関係者ごとに「自分が思っていたリニューアル像」が異なるため、制作途中で要望の追加・変更が頻発し、スケジュールと予算が膨らんでいきます。プロジェクトの迷走はほぼすべて、最初の目的設定の甘さに起因しています。リニューアルを成功させるための第一歩は、「何のためにリニューアルするのか」を言語化し、関係者全員で共有することです。

1-2. 目的設定なきリニューアルが招く典型的な失敗パターン

目的が設定されていないリニューアルでは、以下のような失敗が繰り返されます。

  • 担当者の好みで要件が決まる:「このページのデザインが気に入らない」「競合のサイトにあるような動きがほしい」といった主観的な判断が優先され、ユーザー視点や事業貢献の観点が抜け落ちる。
  • リニューアル後の効果が測定できない:どのような状態になれば「成功」なのかが定義されていないため、公開後に成果を評価する術がなく、改善のサイクルが生まれない。
  • 社内の意見集約に終わってしまう:各部署の要望を詰め込んだ結果、ユーザーにとって使いにくい情報過多のサイトが誕生する。

こうした失敗を防ぐためには、デザインの話を始める前に「ビジネス課題の整理」と「目的の言語化」を徹底することが不可欠です。

1-3. リニューアルは「投資」として捉える

ホームページリニューアルは、コストではなく投資として位置づけることが重要です。たとえば製造業の企業が「Webサイト経由の引き合いを増やしたい」という課題を抱えている場合、リニューアルに300万円を投じることで年間の受注件数が増加し、コスト回収できるかどうかをシミュレーションする視点が必要です。

投資として考えるからこそ、「何にお金をかけるか」の優先順位が明確になります。目的が「問い合わせ数の増加」であれば、高額なアニメーション演出よりも、ユーザーが迷わず問い合わせフォームへたどり着ける導線設計に予算を集中させるべきです。目的設定は、予算配分の判断軸でもあります。

2. リニューアル前の課題整理:現状を正しく把握するための分析手法

2-1. 「なんとなく課題がある」を数値で可視化する

リニューアルを検討し始めた時点では、「問い合わせが少ない気がする」「サイトがわかりにくいと言われた」という曖昧な課題感を抱えているケースがほとんどです。しかし、「気がする」「言われた」という感覚的な課題をそのまま制作会社に伝えても、的確な提案は得られません。

課題整理のスタートは、現在のサイトの状態をデータで可視化することです。感覚的な問題意識を数値に落とし込むことで、「どこに問題があるのか」「どの施策が優先度が高いか」が明確になります。以下に、リニューアル前に必ず確認すべきデータと分析の視点を整理します。

2-2. アクセス解析で「どこで離脱しているか」を特定する

Google Analytics(GA4)などのアクセス解析ツールを活用し、サイト全体のパフォーマンスを定量的に確認します。確認すべき主な指標は以下のとおりです。

  • セッション数・ユニークユーザー数:サイトへの流入量の全体像を把握する。流入数が少ない場合、SEO・広告・SNSなど集客施策の問題を疑う。
  • 直帰率:トップページや主要ランディングページの直帰率が高い場合、ページの第一印象やコンテンツの関連性に問題がある可能性がある。
  • コンバージョン率(CVR):問い合わせページへの到達率、フォーム送信率などを確認し、導線上のボトルネックを特定する。
  • 流入経路の内訳:自然検索・直接流入・参照元などの比率を把握し、どの流入チャネルを強化すべきかを検討する。
  • デバイス別の利用状況:スマートフォンからのアクセス比率が高いにもかかわらず、モバイル対応が不十分な場合は優先的に対処が必要。

これらのデータを読み解くことで、「サイトへの訪問者数は十分にいるが、問い合わせに至っていない」「スマートフォンからのアクセスが多いのに離脱率が高い」など、課題の所在が浮かび上がります。

2-3. 検索順位と競合分析でSEO面の課題を洗い出す

アクセス解析と並行して、SEO観点からの課題整理も行います。Google Search Consoleを活用し、自社サイトが現在どのようなキーワードで上位表示されているか、クリック率や表示回数の推移を確認します。

同時に、狙いたいキーワードで実際に検索を行い、上位表示されている競合他社のサイトと自社サイトを比較します。競合分析では以下の観点を確認します。

  • コンテンツの量と質:競合がどのようなテーマで記事や情報ページを充実させているかを把握する。
  • サイト構造とナビゲーション:ユーザーが求める情報へ最短でたどり着けるサイト設計かどうかを確認する。
  • ページの表示速度:Googleが提供するPageSpeed Insightsなどのツールで競合サイトとの速度差を把握する。
  • CTA(行動喚起)の配置:問い合わせや資料請求への誘導が自社と競合でどう異なるかを比較する。

競合との差分を可視化することで、リニューアルで優先的に対処すべき領域が明確になります。

2-4. ヒートマップとユーザーヒアリングで「体験」の問題を把握する

アクセス解析はユーザーの行動を数値で示しますが、「なぜそのような行動をとったのか」という理由まではわかりません。そこで補助的に活用したいのがヒートマップ分析とユーザーヒアリングです。

ヒートマップツール(Microsoft Clarity、Hotjarなど)を導入すると、ユーザーがどの箇所をクリックし、どこまでスクロールし、どこで離脱しているかを視覚的に把握できます。たとえば、問い合わせボタンが画面の見えない位置に配置されており、ほとんどのユーザーが気づかずに離脱していたというケースは、ヒートマップを見て初めて発見できる課題です。

また、既存顧客や見込み顧客に対してサイトへの印象や使いにくさをヒアリングすることで、数値に表れない定性的な課題を収集できます。「どのページを見てお問い合わせを決めましたか?」「サイトを見て不安に感じた点はありましたか?」などの質問は、リニューアルの方向性を決める上で非常に有益な情報をもたらします。

2-5. 社内運用の課題も棚卸しする

リニューアルの目的は対外的なユーザー体験の改善だけではありません。社内のWebサイト運用における課題も、重要な整理対象です。以下のような状況が発生している場合は、CMSや管理画面の設計も含めた見直しが必要です。

  • コンテンツを更新するたびに制作会社へ依頼が必要で、スピード感がない
  • CMSの操作が複雑で、担当者が変わると引き継ぎに時間がかかる
  • ページが増えた結果、サイト全体の構造が複雑化し、情報が探しにくくなっている
  • 更新が滞ることで、サイト上の情報と実際のサービス内容にずれが生じている

運用面の課題をリニューアルの要件に含めることで、公開後も継続的に成果を出せる「育てるサイト」を設計することができます。

3. リニューアルの目的設定:ビジネスゴールから逆算する思考法

3-1. 「目的」と「手段」を混同しない

目的設定でよくある誤りが、「デザインをきれいにしたい」「スマートフォンに対応したい」「読み込み速度を改善したい」を目的として設定してしまうことです。これらはすべて、目的を達成するための「手段」です。

目的とは、リニューアルを通じて事業としてどのような状態を実現したいかです。「問い合わせ件数を月30件から50件に増やす」「採用応募数を前年比150%にする」「Webサイト経由の売上比率を10ポイント改善する」といった、ビジネス上の成果を言語化したものが「目的」です。デザイン刷新やモバイル対応は、その目的を実現するための施策として位置づけます。

3-2. ビジネスゴールを起点に目的を設定するプロセス

目的設定は、自社のビジネスゴールを起点に、以下のプロセスで進めます。

STEP1:ビジネス上の最終ゴールを確認する

「売上をどのくらい増やしたいのか」「新規顧客をどのターゲット層から獲得したいのか」「採用難を解消したいのか」など、経営レベルの目標を確認します。部門の担当者だけでなく、経営層と認識を合わせるこのプロセスが、プロジェクト全体のブレを防ぎます。

STEP2:Webサイトがそのゴールにどうつながるかを整理する

「売上を増やすために、Webサイト経由の問い合わせを増やす」「採用強化のために、企業文化や職場環境を伝えるコンテンツを充実させる」など、ビジネスゴールとWebサイトの役割を結びつけます。

STEP3:現在のサイトのどこにギャップがあるかを特定する

2章で整理した課題分析の結果をもとに、「なぜ現在のサイトではそのゴールを達成できていないのか」を明確にします。ここで洗い出された課題が、リニューアルで解決すべき項目になります。

STEP4:リニューアルの目的を一文で言語化する

「自然検索からの流入を増やし、Webサイト経由の月間問い合わせ件数を現状の2倍にする」など、誰が読んでも同じ意味に解釈できる形で目的を明文化します。この一文が、その後の全意思決定の基準となります。

3-3. リニューアル目的の優先順位を決める

多くの場合、リニューアルには複数の目的が混在します。「集客を増やしたい」「コンバージョン率を改善したい」「採用応募数を増やしたい」「サービス内容を整理したい」など、各部門からの要望がすべて盛り込まれることがあります。

しかし、すべての目的を等しく追求しようとすると、設計の方向性が定まらず、ユーザーにとって何を伝えたいのかが不明瞭なサイトになります。リニューアルの目的は優先順位をつけて絞り込むことが重要です。

「このリニューアルで最も解決したい課題は何か」「6ヶ月後に成果として確認したいのは何か」という問いかけをチームで行い、最優先目的を1〜2つに絞り込みます。残りの目的は「副次的に対応する項目」として整理し、優先目的への予算・工数配分を確保します。

4. KGI・KPIの設計:測定できる目標をつくる

4-1. KGIとKPIの違いと関係性

リニューアルの目的を数値化したものがKGI(重要目標達成指標)です。KGIは「このリニューアルで最終的に達成したい数値ゴール」を表します。

一方、KPI(重要業績評価指標)は、KGIを達成するための中間目標です。KGIを達成するまでの道筋をいくつかのプロセスに分解し、それぞれが順調に進んでいるかをモニタリングするための指標と考えてください。

たとえば医療機関が新規患者の予約獲得数を増やす目的でリニューアルを行う場合、KGIは「Webサイト経由の月間新規予約数を30件から50件に増加させる」、KPIは「月間サイト訪問者数を5,000から8,000に増やす」「予約ページへの遷移率を3%から5%に改善する」「予約フォームの完了率を60%から80%に改善する」といった形で設定します。

4-2. リニューアルにおける主なKPIの種類と選び方

リニューアルのKPIとして設定できる指標は多岐にわたります。自社のリニューアル目的に照らして、関係する指標を選択します。

  • 集客系KPI:オーガニック検索からの月間セッション数、特定キーワードの検索順位、広告経由の流入数など。自然検索強化を目的とする場合に中心に置く指標。
  • エンゲージメント系KPI:直帰率、平均セッション時間、ページ/セッション数、スクロール率など。コンテンツの質やユーザー体験の改善を目的とする場合に確認する指標。
  • コンバージョン系KPI:問い合わせ数、資料請求数、フォーム到達率、フォーム完了率など。最もビジネス成果に直結する指標であり、ほぼすべてのリニューアルで設定すべき。
  • 採用系KPI:採用ページへの流入数、エントリーフォーム到達率、応募完了数など。採用強化を目的とするリニューアルで重視する指標。

KPIを設定する際は、「現状の数値が把握できているか」を必ず確認してください。基準値がなければ、リニューアル後の改善効果を測定することができません。現状値が把握できていない場合は、リニューアル着手前に計測環境を整えることを優先します。

4-3. KGI・KPIを設定する際の注意点

KGI・KPIを設定する際に注意すべきポイントを整理します。

  • KGIとKPIのロジックが整合しているか確認する:「KGIを達成するためにKPIが必要」という因果関係が成立していなければなりません。たとえば「月間問い合わせ数を2倍にする(KGI)」に対して「SNSのフォロワー数を増やす(KPI)」という組み合わせでは、両者の因果関係が弱く、効果的なKPI設計とはいえません。
  • 測定可能な数値で設定する:「ユーザー体験を向上させる」「認知度を高める」など抽象的な表現をKPIにするのは避け、Google Analyticsなどのツールで定期的に確認できる数値目標に落とし込みます。
  • 目標値を高く設定しすぎない:根拠なく「流入を10倍にする」「CVRを5倍にする」などの目標を設定しても、現実的なアクションに落とし込めず形骸化します。現状の数値と市場環境を踏まえた、達成可能かつ背伸びのある数値を設定します。
  • 測定タイミングを決める:「公開後3ヶ月時点」「公開後6ヶ月時点」など、評価するタイミングを明確にしておきます。WebサイトはリニューアルのSEO効果が表れるまでに3〜6ヶ月程度を要する場合があります。

5. 要件定義の進め方:制作会社が動けるドキュメントをつくる

5-1. 要件定義の役割と重要性

要件定義とは、リニューアルの目的・コンセプト・必要な機能・ターゲット・予算・スケジュールなどのすべての前提条件を、文書として明確化する工程です。制作会社への発注後、すべての制作判断はこの要件定義に基づいて行われます。

要件定義が曖昧なままプロジェクトを始めることは、設計図のない状態で建設工事を進めるのと同じです。後になって「そんなつもりではなかった」「これはリニューアルの範囲に含まれていると思っていた」といったトラブルが発生し、追加費用や期間延長につながります。要件定義に費やした時間は、必ず制作フェーズでの手戻り防止として回収できます。

5-2. 要件定義書に記載すべき項目

要件定義書には、制作会社が判断・設計・見積もりを行うために必要なすべての情報を記載します。記載すべき主な項目は以下のとおりです。

  • リニューアルの背景と目的:なぜリニューアルするのか、現状のどのような課題を解決したいのかを明文化する。
  • KGI・KPI:数値目標とその計測方法を明確にする。
  • ターゲットユーザー(ペルソナ):どのような人物が主なユーザーか、ペルソナを設定して記載する。
  • サイトコンセプト:リニューアル後のサイトがどのような印象・価値観を伝えるものかを言語化する。
  • 対象ページ・ページ数:リニューアルの対象範囲を明確にし、新規作成ページと既存ページの引き継ぎを整理する。
  • 必要な機能要件:CMS・フォーム・検索機能・会員管理・多言語対応など、実装を求める機能をリストアップする。
  • 非機能要件:表示速度・セキュリティ・アクセシビリティ・ブラウザ・デバイス対応範囲など。
  • 予算:おおまかな予算の上限を提示することで、制作会社が現実的な提案を出せる。
  • スケジュール:公開希望時期と、プロジェクト全体のマイルストーンを整理する。
  • 運用体制:公開後のコンテンツ更新担当者・更新頻度・保守対応の範囲など。

これらをまとめた文書はRFP(提案依頼書)としての役割も果たし、複数の制作会社に同条件で提案を依頼する際の基準書となります。

5-3. ターゲット設定とペルソナの作り方

要件定義の中でも特に重要なのが、ターゲットユーザーの設定です。「誰に向けたサイトか」が明確でないと、コンテンツ設計・デザイン・ナビゲーション構造のすべてがブレます。

ペルソナとは、ターゲットユーザーを架空の人物像として具体化したものです。たとえば小売業のECサイトをリニューアルする場合、「40代・女性・専業主婦・育児中・スマートフォンでの購買が中心・安全性や素材にこだわる購買行動」というペルソナを設定します。このペルソナがサイトを見たときに、何を知りたいか・何に不安を感じるか・どのような情報があれば購買に至るかを考えることで、コンテンツと導線の設計が具体化します。

ペルソナは1〜2人を設定するのが一般的です。ターゲットを広げようとして複数のペルソナを設定しすぎると、すべてに対して中途半端なサイトになるため注意が必要です。まずは最も優先すべき顧客像を1人明確にし、その顧客が満足するサイトを設計することを優先します。

5-4. 機能要件と非機能要件の整理

機能要件とは、サイトに実装すべき機能のことです。CMSの導入・お問い合わせフォーム・採用応募フォーム・ブログ機能・多言語対応・会員ログイン機能など、ユーザーや管理者が操作する機能をリストアップします。

非機能要件とは、機能そのもの以外の品質要件です。「スマートフォン・タブレット・PCで適切に表示されること」「ページの読み込み速度が3秒以内であること」「SSL通信に対応していること」「ウェブアクセシビリティガイドラインのJIS X 8341-3:2016に対応していること」など、サイトの品質・安全性・互換性に関する要件を整理します。

機能要件・非機能要件を明確にしておくことで、制作会社からの見積もりに含まれている内容・含まれていない内容が明確になり、後からの追加費用トラブルを防ぐことができます。

6. 社内合意形成:プロジェクトを正しくスタートさせる

6-1. ステークホルダーの整理とプロジェクト体制の構築

ホームページリニューアルは、Web担当者一人が進めるものではなく、経営層・マーケティング・営業・採用・情報システムなど複数の部門が関わるプロジェクトです。プロジェクト開始前に、誰がどの役割を担うかを明確にしておくことが重要です。

  • プロジェクトオーナー:最終意思決定権を持つ人物(通常は経営者またはマーケティング部門長)。
  • プロジェクトマネージャー:日常的な進行管理・制作会社との窓口を担う担当者。
  • レビュアー:コンテンツ・デザインの確認と承認を行う関係者(各部門の責任者など)。
  • 情報提供者:サービス内容・商品情報・事例などのコンテンツ素材を提供する担当者。

体制が不明確なまま進めると、確認・承認のステップで時間がかかり、スケジュールが遅延します。プロジェクト開始時に体制図を作成し、関係者全員に共有します。

6-2. キックオフミーティングで認識を統一する

目的・KGI・KPI・ターゲット・スケジュール・予算・体制が整ったら、関係者全員が集まるキックオフミーティングを実施します。このミーティングの目的は、各自が「自分ゴト」としてプロジェクトに取り組むための当事者意識を醸成することです。

キックオフミーティングでは以下の内容を共有し、質疑応答の時間を設けます。

  • なぜ今リニューアルするのか(背景と目的)
  • このリニューアルで何を達成するのか(KGI・KPI)
  • 誰のためのサイトを作るのか(ターゲット・ペルソナ)
  • 誰が何を担当するのか(役割分担)
  • いつまでに何をするのか(スケジュール)

会議後は議事録を作成し、合意内容を文書化して共有します。この文書が、後でプロジェクトの方向性が揺らいだときに立ち返るべき「プロジェクトの憲法」になります。

6-3. 現行サイトの資産を棚卸しする

要件定義と並行して、現行サイトのコンテンツ棚卸しも行います。現在のページをすべてリストアップし、「引き継ぐページ」「更新して引き継ぐページ」「廃止するページ」に分類します。

この棚卸し作業を怠ると、リニューアル後に使われなくなったページが多数残存し、サイト構造が複雑になります。また、廃止するページに外部サイトからのリンクが集まっている場合、適切にリダイレクト設定を行わなければSEO評価を失うリスクがあります。コンテンツの棚卸しと合わせて、重要ページへの被リンク状況も確認しておきます。

7. まとめ:「準備の質」がリニューアルの成否を決める

ホームページリニューアルを成功させるカギは、デザインや機能ではなく、着手前の「目的設定」と「要件整理」の質にあります。「なぜリニューアルするのか」を言語化し、KGI・KPIで数値目標を定め、ターゲット・機能要件・社内体制を文書化することで、制作フェーズでの迷走を防ぎ、公開後の成果測定が可能なプロジェクトが組み上がります。

本記事で解説したプロセスは、Webサイトリニューアルの計画段階で最低限押さえておくべき内容です。課題整理・目的設定・KPI設計・要件定義・社内合意形成という一連の流れを踏むことで、制作会社への依頼内容が具体化し、複数社の提案を同条件で比較できる状態が整います。

「リニューアルを考え始めたが何から手をつければよいかわからない」「社内でまとまらず前に進めない」という状況でお困りの場合は、ぜひ一度ご相談ください。豊富なWebサイト制作実績をもとに、ヒアリングから要件定義のサポートまで丁寧に対応します。

Webサイトリニューアルの全体的な進め方・費用・失敗しないポイントについては、「Webサイトリニューアルの進め方 目的設定・費用・失敗しないためのポイント」で詳しく解説しています。

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